風船の話パート1、遊び方編

おもちゃの話

おもちゃといえば誰でも思いつくもののひとつが風船でしょう。個人でもパーティーでも、イベントの飾りや、景品などいろんな場面で使われています。手軽でありながら躍動感があって、流行に関係なく長くに亘って人気のあるおもちゃです。

1風船の種類と遊び方

取扱風船の種類を紹介します。

風船は空気やガスなどの気体や水などの液体を利用したおもちゃです。
①は空気用の風船です。原料はほとんど天然ゴムです。形の主力は球形ですが、野球場で馴染みの長い形のジェット風船などもあります。
②はヘリウムガス利用の風船です。空気より軽いヘリウムを使うことで空中に浮き上がります。素材としてはゴムとビニール製の薄いフォイルがあります。ゴム製は主に丸形の風船、フォイルを使った風船では丸形、動物の形、キャラクターを印刷した物などありバライエティーにとんでいます。
③はアートバルーンです。クラフト風船ともいいます。細長いゴム風船の途中を捻ることで花や動物を作って楽しみます。
④は風船の中に水をいれて遊ぶ水風船です。縁日のヨーヨーすくいでおなじみです。
風船事態は身近な存在ですが、なかなか奥が深いおもちゃです。風船の魅力を十分おたのしみいただけるよう、これから風船のお話をしていきますが、この投稿記事では①ゴム風船、②ガス風船、③アートバルーンの3種類についてお話しします。④水風船についてはこれら3種類の風船とは利用の環境や遊び方が違うので、「縁日、イベントでのおもちゃ」という内容で別の記事で投稿します。

2空気用各種風船について

空気用の風船はおもにゴム製です。身近な風船の中でも、空気を入れるだけですから、しかも、本格的な利用でなければポンプを使うまでもありませんので、口で吹いても簡単に楽しめます。
2-1空気風船各種

①はパンチボールです。通常のゴム風船と比べて大きな風船になりますので、ゴムも肉厚になります。風船の中に米粒をいれて、口元には長いゴムバンドをつけヨーヨーのようにして遊びます。また通常の球技に使うボールに比べて大きく柔らかく安全ですので、幼児やお年寄りにむけてのバレーボールやボール投げ遊びに利用されています。
②はいわゆる通常の代表的な風船です。大きさは脹らませると20cm前後で、価格も比較的安く、一人で遊んでもよし、また販促用の景品とか、あるいは数をたくさん集めてパーティーやイベントの装飾としても使われています。
③は標準サイズよりも大きな風船です。風船飾りのアクセントとして利用されます。大きさは直径30cmのものから6、70cm位のものまであります。
④は蛇長風船と呼ばれている細長い風船です。最近のようなビニール製の人形(空気ビニール)ができる前は、チャンバラの剣や鉢巻きなどに使われていました。
⑤は風船の取り合わせセットです。小口利用や家庭などで利用されます。
⑥はジェットフーセンです。脹らませたあとに吹き出す推進力を利用して空に飛ばします。口には笛が付いているので音がします。主に野球場で売れています。
⑦は風船棒です。ゴム風船の難点は首が座らないことですので、飾り付けなど整然とした装飾には、風船の口に絡ませて固定用に使います。
⑧はこの利用例です。
⑨も同じ風船棒ですが小型のハンディータイプです。風船を持ち歩く際には便利です。
2-2空気風船の膨らませ方

通常の丸形風船は口から空気を入れれば簡単に脹らませられますが、特殊な形の風船を脹らますには多少の技術が必要です。
たとえば①のネズミの形をした風船は完成すると⑤の様になりますが、ただ口元から空気を入れただけでは、顔の部分は脹らみますが耳の部分はチョコットとしか脹らまず、ネズミではなくクマになってしまいます。耳も脹らませるための方法が②③④です。②でまず片方の耳を脹らまします。そのためにもう一方の耳の口を指で押さえ、さらに顔の部分を手のひらで包み込んで片方の耳だけを脹らませます。次に③では脹らませた方の耳の口を指で押さえ、同時に顔の部分も掌に包み込んで、もう片方の耳に空気を送って脹らませます。そして最後の④では両方の耳の口元を押さえて顔の部分を脹らませてこれで出来上がりです。最初は難しいですが、回数を重ねればうまくできるようになります。
⑦は蛇長風船です。これも直接風船の口に息をはいても、口の近くだけ脹らんで長くはできません。この場合⑧のように、まず風船の先端を口に含み息を吸うと風船の先端が丸く脹らみます。そのあとこの玉がしぼまないように玉の口元を指でつまんで反対の口から脹らますと長い風船になります。
このようにしないと風船がうまくできないのは風船が空気の力を利用しているおもちゃだからです。⑥の図は「パスカルのポンプ」という道具です。穴のあいた丸い頭を水につけ吸い上げたあとポンプを押すと水は四方八方に均等に飛び散ります。これは密閉した容器の壁面には均等に圧力がかかるという自然の法則からきています。従ってネズミ風船の耳の先や蛇長風船の先端には均等に圧力がかからずうまく形にならないのです。この「パスカルのポンプ」というのはたぶん中学校の理科で学んでいます。名前の由来になったパスカル(1623~1662)という人はガリレオ(1564~1642)よりちょっと世代が若い人で、ガリレオの「空気の研究」のあとをうけ平地と高い山の上では空気の重さが違うということを確かめた人です。毎日の天気予報で気圧をいうのに「○○ヘクトパスカル」という単位を使っているのもパスカルのこの研究にちなんでいます。実はパス「機械式の計算機」の発明もしています。これからの投稿記事で「くじの話」や「プログラミングの話」も予定していますが、ここでもパスカルが出てきますので、名前は覚えておいてください。
2-3風船デコレーションの作り方
空気ゴム風船の使い方として風船デコレーションがあります。一つ一つは単純ですが、規則的にまとめるとかなり見栄えがしてきます。材料やコストはそれほどでもありませんが、手間のかかる作業なので、文化祭など大勢が参加するイベントなどで利用されています。

その製作の手順は図のようになります。
用意する材料は1:ゴム風船、2:風船の大きさを揃えるゲージ(段ボールで作ります)
3:モールの心になる丈夫な紐(魚釣り用のビニール製のテグス糸、梱包用ビニールテープ、凧あげ用の凧糸など)
①段ボール板に丸く穴をあけゲージ゙とします。穴の直径は風船のサイズにより16cmから20cmくらいが適当です。
②同じ色の風船をコマ結びにしてユニットにします。③同じ色の2つの風船の口を引っ張り合せてコマ結びに縛ります。(図では縛り方が解るように違った色の風船になっていますが、実際は同じ色の風船で縛ります)この1回の工程で風船の口を縛ることと、二つの風船を結び付けることの二つの工程が出来ます。
④は風船を縛ったユニットの図です。また色違いのユニットも作ります。風船デコレーションはこの二つのユニットを一組として順次につないでいくことで完成します。
⑤事前に紐を張っておきます。違う色の2つのユニットを紐を挟んで、向かい合わせてお互いにねじり合わせます。(ゴム自体の捻れたあとの反発力で自然に安定するので接着剤やセロテープは不要です)
⑥色違いの2つのユニットを絡ませることで一つの部品ができました。この部品を繰り返し作ることでモールをのばすことができます。風船の大きさに対して4ユニットで作った部品一つで風船のサイズに対して70%程進みます。たとえば直径20cmの風船なら10mの長さのモールを作るには約280個必要になります。
⑦こちらの完成した風船モールは埼玉県立東高等学校さんの文化祭のゲート作品を記録させていただいた写真です。使用した風船は500個程だそうです。

3ガス風船各種

3-1ガス用風船各種
空中浮遊ガス風船に必要な材料は1:風船、2:ガス(おもにヘリウムガス)3:係留糸(重り付)です。
ガス風船の材料は2種類あります。天然素材であるラテックス製のゴム風船と石油加工品であるビニール製のフォイル風船です。この2種類の風船には一長一短がありますので目的によって選択します。この特性は「3-3ガス用風船の特徴」で説明しています。
①まずヘリウムボンベが必要です。このかなり重い鉄製のボンベには150気圧のヘリウムガスが装填されています。高さは大きい方が105cm、小さい方が98cmあります。これを通常の1気圧の状態に戻すと、小さい方のボンベでガス容量は1500リットル、大きい方は高さは容量は3000リットルになります。あまりにも圧力が強いので日常品にはなりませんので、利用の際はボンベごとのレンタルということになります。そしてガスを使い終わったらボンベを返却していただきます。貸出期間は通常一ヶ月です。ヘリウム事態は危険物ではありませんが高圧力による危険防止のためボンベも周期的に圧力検査をしなければなりませんので、手元に長く置いておくことはできないのです。もちろん安全対策は販売店の方でしていますので、長年の実績のあるところでのご購入が安心だと思います。
②はハート風船です。この風船は個人用に人気があります。
③は大型のガス風船です。ガス用風船は空気用よりゴムの肉厚が厚くなります。
④は一般のガス用ゴム風船です。単純な形ですがたくさん集まると見栄えがします。
⑤はネズミ型風船です(業界ではミッキーとよんでいます)。脹らませ方は空気風船のところで説明した通りになります。ガスが自動的に送られてくるので、空気用より脹らませやすいです。
⑥はトリック風船で、風船の中にまた別の風船がある2重風船です。内側はフォイル風船、外側は透明のビニール風船です。
⑦は代表的なフォイル風船です。毎年テレビで放映のキャラクターをはじめ人気のキャラクターが印刷されています。ガス風船の中で一番種類が多い風船です。
⑧は散歩動物シリーズです。通常のガス風船は飛ばないように糸でつなげていますが、このガス風船は足の部分が重りになっていますので、つなげておく糸がなくても飛んでいきません。しかし重りの足自体が弱いので糸は必要です。
⑨⑩は魚風船シリーズです。おうちで水族館というテーマで製作されています。
⑪フォイル風船の小型版です。主に景品や室内飾りのデコレーションとして利用されています。
⑫は簡易形ヘリウム缶です。①のボンベは本格的なものですが、少数のガス風船を家庭やグループで楽しむ場合に利用されます。
但し簡易型だけあって、密閉圧力は低く取り扱いは簡単ですが、ガスの量も少なくできる風船の数は限られています。しかもゴム風船は脹らますために圧力が必要なのでこの缶を利用するには不向きです。ほとんど圧力の必要ないフォイル型風船向きになります。こちらヘリウム缶はレンタルではありませんので、長く保管できますが、缶の処分のことも考慮に入れる必要があります。
3-2イベント用ガス風船の脹らまし方

ガス風船用ヘリウムボンベの扱い方、
①ヘリウムガスは不活性ガスなので燃えたり爆発したりはしません。(ちなみに水素は燃えます) この点では安全ですが、ボンベは150気圧の圧力でガスが封印されていますので、不注意にボンベのコックを開けますと猛烈な勢いでガスが噴出し、ボンベが倒れるなどしてトラブルの元にもなりますので、手順を踏んで注意深く扱ってください。
ノズルの装着とコックの開閉の仕方。
②ノズルをボンベの口に装填するときは、ネジは左回りに閉めます。(通常のネジとは反対方向です)またこの時ノズルの内側にあるポリ製のワッシャーがボンベの口に密着するように締めてください。(密着していないと圧力が高いのでガス漏れになります)
ガスが吹き出すためのコックは2カ所あります。AとBです。まずA、B二つのコックの口を閉めておきます。次にボンベ側のBのコックを少し開けます。風船を脹らますときはAのノズル側のコックを開閉しておこないます。途中でガスの圧力が低くなってきたら、Bのコックをさらに少し開けます。この作業を繰り返して風船を脹らませます。使い終わったらABのコックを両方閉めてください。移動の際にはノズルは外してください。
作業姿勢と能率
③④⑤ボンベの下にブロックなどの添え物をおいて、ボンベを傾け、椅子に腰掛けた状態で風船を作ると比較的楽に作れます。屋外での作業のときは、ゴム風船ではテントとか屋根のある部屋で風船を作ると、飛んでいく心配がないので安心です。風船は専用の糸付クリップでとめ、そのまま天井に浮かせておきます。この段階では糸は伸ばしません。一つ一つ作りながら伸ばしていると糸がお互い絡まってしまってやっかいなことになります。ある程度数ができたら、天井に浮いている風船の口を止めているクリップから糸をのばして10~20程まとめて屋外に持って行きます。専用のクリップを使って風船を作る場合は40~50分で100個程できます。ゴムの風船は作ってから6~8時間ほどしかもちませんので、前日からの作り溜はできません。
尚、最近は環境保護の観点から口止めクリップがプラスティック製から紙製に変わったものが出ています。こちらは飛行防止の重りが一緒に付いていますので、不用意での飛行の心配はありません。飛行させる場合はその重りが取り外せるようになっています。
⑥風船をもって動き回る場合は手で持っているのは心配です。そこで紐に輪ゴムをからませて腕にはめておけば安心です。この図はこの輪ゴムの絡ませ方です。簡単にできます。
3-3ガス用風船の特徴

ガス用の風船の材質はゴム製と薄いビニール製のフォイル風船の2種類がありますが、
①でその違いを表にしましたので、使用目的によって選択してください。一般的にはゴム風船は屋外イベント用、ファイル風船は室内パーティーとか家庭的利用になります。②の表はボンベのサイズと製造可能な風船の数量との関係です。イベント企画の際はこの表を参考にして風船のサイズと数量、ヘリウムボンベのサイズを選択してください。風船は自然の法則を利用した科学玩具なので、この詳しい数値は理論的に計算できますが、こちらの関係表は経験値ですので、実際には多少のずれがあますが、実用上はこの表を参考にしていただければ問題はないと思います。多少のコメントをしますと、ヘリウムガスは体積1ccで浮力がおよそ1gあります。この関係式は実用上覚えておいて損はないと思います。しかしこの関係表において、ファイル風船の場合は体積と製造可能な風船の数量の関係は正しいのですが、ゴム風船では計算が合いません。
体積の計算には公式があります。体積をV、半径をaの球体としますと求める体積は
V=(4π×(半径)の3乗)/3で求まりますが、たとえば直径60cmの1000丸
風船を計算すると実際は113リットルです。表では210リットルで2倍以上のガス必要量となっています。この違いはゴム風船は小さいサイズを大きく脹らませているので風船内部の気圧が2気圧以上あるためです。実用上はこの表の内容で問題がありませんが、理論的に詳しい話は「風船の話その2歴史科学編」の記事で説明していますので、興味のある方はこちらをご覧ください。

4アートバルーンのリストと作り方


アートバルーンのリスト
アートバルーンが日本で普及したのは1980年代後半からで、風船の中では一番新しい種類ですが、遊びの利用方法が多彩で、幼児からお年寄りまで簡単に作品ができることにより、今では一番身近な風船になっています。必要な材料は風船と空気ポンプだけで、至って簡単です。しかも種類によっては口で直接脹らませることもできますので、ポケットに入れておけばいつでもアートバーン遊びができます。
①は風船と作り方の解説本、空気ポンプの3点セットでこれだけあればすぐに始められます。
②は風船の詰め合わせです。簡単な製作見本のパンフレットも入っています。日本のメーカーの商品で気軽に購入できます。
③は風船アートの本場の北米商品です。日本製に比べて割高ですが粘りけがあって、細かい細工ができます。日本製で練習して更に上級の作品を目指す時になったらお勧めです。ストリートアーティスもこれを使っていてプロ御用達の商品ということになります。
アートバルーンの作り方例
④以下からは作り方の説明をします。まず事前の準備として国産の風船ならばゴムを軽く伸ばして、作りやすいように柔らかくします。④では挿入する空気の量を説明しています。細工に余裕を持たせる秘訣は、風船いっぱいに空気をいれないことです。大方の作品では先端を少なくとも10~15cm程残します。作品によっては30cmも残すものもあります。要するに「空気を入れすぎないこと」これが第一のポイントです。一度入れてしまった空気は制作の途中では抜けません、空気の量が少なくても何とか形にはできます。風船の先端をどのくらい残すかをということをいつも頭の中に入れて作品作りを始めましょう。
注意点の2つめは「風船を製作の途中で捻る場合はいつも同じ方向に捻る」ということです。右回りと決めたら最後まで右回りを続けます。以上
1:空気を入れすぎないこと
2:いつも決まった方向にねじること
この2つの原則を守っていればそれなりに形ができあがります。あとは練習次第で段々高級な作品ができるようになります。
この原則に従って次に捻り方をマスターします。具体的な捻り方は②の国産の風船セットに同梱されたパンフレットに説明がしてあります。
捻り方は大方5通りあります。
1:タラコ捻り ――― これは左右対称の部分。たとえば耳や手足で使います。
2:握り捻り ――― 風船の太さに変化をつけます。口先や胴体で使います。
3:しぼり捻り ――― 形に変化をつけます。耳や鼻で使います。
4:輪ひねり -―― 形にボリューム感を付けます。トンボの羽根や花
5:チューリップ捻り―― 先端に変化をつけます。花の芯、動物の鼻先などに利用。
以上の5種類ですが基本は1:タラコ捻りです。これができれば大体の作品はこれで十分です。慣れてきたら2:以下の捻り方にマスターしてどんどん新しい作品に挑戦してください。
⑤のライオンは黄色の風船1本で簡単にできます。
⑥の白馬は白色風船1本。口はチューリップ捻り、たてがみは握り捻り、足はタラコ捻り。
⑦ハート飾りとプードル。黄色、赤の風船を各1本。ハートは伸ばして形を作るだけ、プードルは風船の先端を30cmも空気を入れないで残しておくのがうまく作れる秘訣です。
⑧花は赤と白と青の風船各一本。花びらと茎は別々に輪ひねりして最後に合体させます。
⑨葡萄は房用に紫、葉に黄緑各1本。房は握り捻りでたくさん玉を作り絡めます
⑩このポンプは水風船用のものですが共用できます。