花火の話その1、種類と遊び方編

花火の表紙おもちゃの話

日本では夏の風物詩として江戸時代から大人も子どもも花火を楽しんでいます。
現在、自治体、観光協会主体、市民団体主催の大規模な花火大会が日本各地で賑やかに開催されています。しかし花火大会は火薬という危険物を燃焼させて楽しむイベントなので製造から保管、流通、使用まで専門的知識や技術が必要であり法律で管理されています。一方そうした専門的な知識がなくても個人レベルで楽しむ花火もあります。大型の花火を業界では「煙火」、個人レベルの花火を「おもちゃ花火(煙火)」という名前でよび、取り扱いを区別しています。「おもちゃ花火」は誰でも個人レベルで楽しめるので、「煙火」花火の単なるミニチュア版とお思いでしょうが、実はそうではありません。もちろん規模や迫力では劣りますが、「おもちゃ花火」ならではの個性も特徴もあります。また遠方での与えられた状況を単に眺めるだけというのではなく、実際に自らの手や体を動かせば楽しいことや学ぶことがいろいろあります。そうした経験のためのお役に立つよう「おもちゃ花火」についてのご紹介をします

煙火とおもちゃ花火

花火の表紙
おもちゃ花火を安全に楽しく利用していただくために基本的なお話をします。
まず花火とは「火」の性質を利用したものだということです。
英語でも「fireworks(火の働き、作品、作用)と言います。「火」との関係は人類にとって根源的なもので、他の生物(種)と区別する決定的なものです。(ちなみにそのほかに、言語、道具の製作があります。これについては「遊び」や「学び」のカテゴリーで詳しく説明します。)
そういう理由により、古今東西、老若男女、時代人種を問わず人は「火」に特別な反応をしめすのでしょう。「火」は外敵からうける災害や傷害から身を守り、生きていくために必要な根本的なものですが、次第に「火」をコントロールできるようになり、文化、文明が生まれて、その流れのなかで「火」の働きを楽しむという生活スタイルが生まれます。その一つが「花火」です。
花火の原料は「火薬」という化学化合物です。この「火薬」の性質を知ることで製造から利用まで花火を楽しくしかも安全につきあうことができます。この投稿記事「花火の話その1、種類遊び方編」では、簡単にこの「化学化合物」について説明します。本格的な説明は「花火の話その2、歴史、化学編」でしますが、おもちゃ花火を安全に楽しむという点では、この記事で説明した事柄に気をつけていただければ十分だと思います。
まず「火の性質」の話から始めます。
―火がもえるための3条件
火が燃えるための3条件があります。1:燃える物があること。2:温度が高いこと。3:空気(酸素)があることです。この条件は逆に消火の条件にもなっています。この条件の内一つでも欠ければ燃える火を消すことができます。消防士がホースで水をかけるのは温度を下げることであり、江戸時代の火消しが近隣の家を破壊するのは燃える物を無くして延焼を防ぐことです。ローソクの火は口で吹くと消えるのは空気(酸素)が瞬間になくなるからです。
ところが燃やすことが目的なので「火薬」はこの3つの条件をそろえている化学化合物です。記録に残る花火の原型は今から1000以上前の中国宋時代の「ねずみ花火」のような地面で回転する花火です。原料は木炭と硫黄と硝石の3種類の物質が適当な比率で混合された化合物です。木炭と硫黄が燃える役割で、硝石が酸素を提供します。3つの要素の混合比率が理にかなって、比較的低い温度で燃えるのです。この火薬は「黒色火薬」といって推進力(打ち上がる力)が強く、現在でも必要不可欠な火薬です。この火薬は火縄銃や江戸時代の打ち上げ花火、線香花火に使われ、明治時代以後は西洋からの改良火薬の導入により、色彩、音、燃焼温度、推進力が加味され、変化に富んだ現在の花火へと進化します。詳しい内容については後日「花火の話しその2、歴史科学編」の記事を投稿します

安全かつ楽しく花火あそびができるために(要約)

以上、文章で花火の特性を説明しましたが、もう一度復習をかねて図を使って要約します。要するに安全に使用するためのキーポイントだけをまずご理解ください。
火薬の構成
―安全に遊ぶための「キーポイント」
「煙火花火」と「おもちゃ花火」の区別は多様な火薬の種類や量の多寡によって区別されるもので、本質的な原理は同じ物です。一口で言えば火薬をたくさん使って大きなのが「煙火」、小さなのが「おもちゃ花火」ということです。但し「おもちゃ花火」は一般人が利用してもあまり危険がないように製造段階で管理されているということです。しかし覚えておいていただきたい大事なことはキーポイントは「花火は空気がなくても燃える」という一言です。
―花火遊びのために事前の準備
上手に扱えばおもしろい遊びですので、事前の準備は必要です。まして夜の遊びですので、必要な備品は前もって確認してください。花火遊びの事前準備

花火の遊び方についての事前の知識を習得したあとで、次からはいよいよおもちゃ花火の具体的な説明をいたします。以下はおもちゃ花火の具体的な種類と遊び方の説明になります。尚、このブログ記事「花火の話しその1、種類遊び方編」ではおもちゃ花火の一般論を説明しています。具体的な商品名や価格については当店の公式ページ内の花火専用ページをご覧ください。商品紹介ページへ

おもちゃ花火の種類

おもちゃ花火一覧
花火の原料は[火薬]です。火薬自体は危険物ですので、製造から、輸送、保管、販売、使用について「火薬類取締法」という法律で厳しく制約されていますが、特に大量に火薬を使う「煙火花火」は厳格ですが、おもちゃ花火については、危険度の少ない火薬の種類の選択や使用量を制限することによって、一般に楽しめるようになっています。 但し種類や薬量が制限されているといっても、限られた制約の中で花火屋さんは工夫を凝らして「煙火花火」にはない、「おもちゃ花火」独自の商品も開発しています。おもちゃ花火は煙火花火に比べて劣っているのではなく、それぞれ独自の世界を作っています。現在市販の代表的な「おもちゃ花火」を分類すると次のようなものがあります。

  • 手持ち花火
  • 噴き上げ花火
  • 打ち上げ花火
  • ロケット、煙、音などの昼間用の花火
  • 仕掛け花火
  • セット花火

以下に各種類の具体的なご紹介をします。内容を理解して上手な遊び方を工夫してください。

手持ち花火

手持ち花火
手持ち花火はおもちゃ花火ならばこその花火です。手持ち花火といえばまず①の花火が代表的なものです。長めの竹串、木串の先に火薬をまぶした花火ですが、これは2種類あります。上側の花火をスパークル花火といい、下側の花火をススキとか朝顔といいます。スパークル花火は粉末火薬を糊で固めてコーティングしています。一方ススキは粉末火薬を紙に巻いてあって外からは見えません。この構造の違いが燃焼時の現象の違いとなります。④のイラストを見てください。左の黄色い光が発散しているのがスパークル、右側で赤や緑色の炎が燃えているのがススキです。スパークル花火は、火薬に練り込んだ金属片(主にアルミニューム)が燃焼熱で輝きを発光します。一方ススキは炎色反応により様々の色の炎で燃焼します。要するにスーパークルは輝きを楽しむ花火、ススキは炎の色の変化を楽しむ花火といえます。そして竹串、木串の柄が長い花火ほど燃焼時間が長く、燃焼時の現象の変化も多様になります。最近はセット花火がお手軽ですが、含まれている花火は柄が短い小さな花火がほとんどですので、醍醐味を味わうには単品で販売されている手持ち花火がお勧めです。②は①の標準的な手持ち花火にさらに現象変化を持たせた、いわゆるトリッキーな要素を加味した花火です。たとえば燃焼方向が途中で逆転したり、2つの炎が追っかけっこしたりなどします。標準の①の手持ち花火が基本ですが、アクセントをつけるために加えてもおもしろいです。③はいわゆる線香花火です。これは江戸時代の後期に考案された日本の伝統的な花火です。一時廃れていましたが、最近見直されています。しかし昔に比べて花火現象の印象が弱いという感想を聞きます。実はその通りです。単に火薬の量が少なくなったという理由ではありません。理由はその製造方法にあります。同じ手持ち花火といってもスパークやススキとは違い、リボン状の和紙に火薬をはさみながら、コヨリに巻いていきます。コヨリは江戸時代の和本の綴じ紐や、たばこのキセル掃除に利用されていました。このコヨリを巻くことは意外に難しいのですが、明治や大正生まれの日本人ならほとんどの人が作ることができました。しかも名人の手にかかると紙の長さよりも長いコヨリができるといいますから驚きです。そういう指先の器用な日本人の手仕事から生まれたのが線香花火ですが、現在のような便利な世の中になって、指を使う機会がなくなり、この花火を作る職人さんも稀になりました。現在ほとんどの線香花火は主に花火セットの一部として中国で生産されていますが、形だけは似ていますが、製作技術が受け継がれているのかどうかは疑問です。そのような事情で思い出の線香花火にはなかなかお目にかかれないのですが、価格は多少高くなりますが、国産でも単品で販売もされています。
図④の下部に線香花火の現象図のように時間の推移により火花の形が変化していきます。変化の程度は価格やサイズによってバリエーションがあります。

噴き上げ花火

噴き上げ花火
噴き上げ花火も手持ち花火と同じくおもちゃ花火独自のものです。地面から2~5mほどの高さに火の柱を噴きあげます。その課程で花火の種類により音をたてたり、色違いの炎を出したり、輝く光を放ったりします。このタイプの花火は国産初の花火の名前をとって一般にはドラゴン花火という名前が通称になっています。②は標準タイプ燃焼したあと最後に骸骨が光りだすというトリッキー仕掛けになっています。③は集合花火です。お祭りなど煙火花火大会でも御承知のようにいくらきれいな花火でも単独では華やかではありません。似たような花火を短時間に集中することによってその効果は高まります。グループで楽しむ場合にはこれらの集合花火がお勧めです。④は吹き上げ花火の図解です。中央図の花火のように地面に置いた筒の先端に火をつけると導火線を伝わって火種が順に積み重ねた火薬に移り、右図のように噴き上がっていきます。薬量は制限されているので車10台程が駐車できる空き地があれば安全に遊べます。

打ち上げ花火

打ち上げ花火
打ち上げ花火は煙火花火のミニチュア版です。地面から打ち上がり上空で開花します。見上げる花火なので気分が高揚します。グループで楽しむときは必須の花火です。但しミニチュア版といっても、薬量や火薬の種類が制限されているので、「煙火花火」のように数百メートルの高さいっぱいに広がり、スケール感十分と言うわけにはいきません。打ち上がる高さは3階くらいで7~10m程で、音もお腹の底までに響くような大きなものではありません。しかし限られた制限の中で花火屋さんは工夫をこらしていろいろおもしろい花火を作っています。キメの細かさが煙火花火と違った特徴といえます。①の花火は打ち上げの中でオーソドックスなもので、開花時の色や形に工夫を凝らしています。②は集合花火というもので、噴き出し花火のところでも述べましたが、似たような花火でも単発ではなく集合でやった方が効果は倍加します。同じタイプで色や形が違うだけですので、設置や点火のやり方は共通で、暗い中でも連続操作ができて効率的です。また複数の打ち上げ花火の導火線でつながっているタイプもあり、これはもっと効率的です。
打ち上げ花火は図④の様に円筒形の筒の横に出ている導火線に着火するのですが、③の連発タイプの花火では筒の上部ある導火線に点火します。連続して打ち上げるためには構造上、下から点火するわけにはいきません。筒の太さからして一つ一つの火の玉(これを星といいます)は小さくなりまので、この連発花火は質より量の花火になりますので、たとえば花火遊びの最後に大型の単発花火を打ち上げ、その背後で同時に挙げると効果的です。

昼間の花火(ロケット、パラシュート、煙、音)

昼間の花火
この分類の花火は主に昼間用の花火です。①はロケット花火。噴射するガスの力で上昇します。竹串が付いているのは飛行方向を安定させるためです。空き缶や空き瓶にさして火を付けます。笛音を出しながら上昇するものや、上空で破裂音を出す種類があります。②はパラシュート花火です。種類によりパラシュートが1個から20個まで同時に開きます。③は煙、煙幕の花火です。炎のでる代わりに単色の煙や染料で染めたカラフルな煙が出てきます。④は音専門の花火です。伝統的なものとしては爆竹、またイベントの開会を告げてための雷管などがあります。これら昼花火のうち、ロケット花火、煙花火、音花火は花火本来の使い方ばかりでなく、鳥獣被害対策としても利用されています。たとえば果樹園での鳥被害や進入動物被害対策、野良猫対策、モグラ対策、すずめ蜂対策などです。火を使いますので細心の取り扱い注意が必要ですので、ご利用の方には購入の際、詳しい内容をご説明しています。いずれの使い方についても、音のする花火は他の火薬に比べて燃焼力が強いのでとりわけ細心の注意をお願いいたします。

仕掛け花火

仕掛け花火
使用する火薬の種類や構造からみると、手持ち花火や噴き上げ花火と同じものですが、こちらの花火は若干設営の準備が必要です。①の花火は噴き上げ花火の一種ですが動きが活発なので、打ち上げ花火と同じくらいの広い場所が必要です。②はいわゆる「ナイアガラ花火」のミニチュア版です。煙火花火では数百メートルに亘ってすべての滝が導火線(走火線)で結ばれていて一カ所に火をつければ瞬時にすべての滝が流れるのですが、実はこの走火線というのは音速並の早さで火が走り、当然危険物になっていますので、おもちゃ花火には使うことができません。そこでおもちゃ花火の場合はお互い紐で繋がった滝の部分の火口を束ねて同時に火をつけ、そのあと紐の両端を2人でもって引き延ばすか、事前に滝をつるしている紐の両端をポールなどに止めておいて、数人が同時に滝の火口に点火するという方法をとる必要があります。この作業は多少時間がかかりますが、滝自体は時間にじて一分以上続きますので、十分滝として楽しめます。滝の1組の長さは7m程ありますので、数組を直列に繋いだり並列に繋げばかなりの醍醐味が楽しめます。

花火セット

花火セット
簡単に花火を楽しもうと思う人にはセット花火という選択肢があります。①は手持ち花火主体のセットです。家の庭先など比較的狭い場所でも楽しめます。②は主に噴き上げ花火のセット。これはちょっとした広い空き地が必要です。③は打ち上げセット。グループやキャンプ、田舎へのお土産用に向いています。楽しむには広い場所が必要です。以前は玩具店、駄菓子屋、花火専門店、縁日の露天商などで単品の花火は手に入りましたが、それらのお店が少なくなるにつれて、最近ではセット花火が専門店ではなくホームセンターや量販店などの業態店形式のお店で売られるようになりました。気軽に手に入るというので人気のようです。しかし一口にセット花火といっても内容は玉石混交です。それは花火特有な事情によります。本来花火は危険物なので、安全に扱うためにはある程度の販売者や利用者には知識が必要なのです。ところが業態店形式のお店では雑貨の一つとして販売するので、もし事故などのトラブルがあった場合にはやっかいなことになるので、必然的に「安全な花火」と言うことが最優先となります。花火特有の「おもしろさ」は第二義になります。また価格競争が激しい業界では質より価格と言うことになります。安全のために薬量を制限し、価格を抑え、しかもそれなりの商品とするための工夫が必要で、上げ底にしたり、紙を太巻きにしたり、パッケージや装飾などで見栄えをよくしています。しかし派手な包装、印刷やキャラクターなどは本来の花火遊びにとっては余計なものです。
外れの花火セットをつかまされないにために事前に検証するよい方法があります。手に持ってみてパッケージのサイズや見栄えにくらべて思ったより軽かったと感じたら、それは火薬の量が少ないと思って間違いありません。火薬は紙よりもずっと重いからです。なかには良心的なセットもありますが、もし購入してみて期待はずれだと思われたならば、次回はぜひ単品花火を購入することをお勧めします。まだまだおもしろい花火はあります。
以上この記事「花火の話しその1、種類遊び方編」ではおもちゃ花火の一般論を説明しています。具体的な商品名や価格については専用ページをご覧ください。

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おまけ―なつかしの花火

花火を専門的に取り扱っていると、時々懐かしい花火の問い合わせがあります。いちいち断わりの応答をするのも残念なので、思い出も込めてこれらのなつかしい花火の話を述べていきます。おもちゃ花火も時代によって内容が変わってきます。現在は販売していませんが、人気のあった懐かしい花火の一部をご紹介します。この写真は西暦2000年頃に扱っていた花火です。1972年に日中国交が回復しそれに伴って花火の発祥地である中国から花火がいろいろ入荷しました。その頃はまだ中国の工業生産は洗練していなくて、手工業で作られたおもしろい花火が色々ありました。品質管理の発想もなかったので、逆に取り扱いに注意しないと危ない花火もあり、それがまた魅力でもありました。しかしその後日本国内でも安全対策を重視するようになり、同時に自治体や観光協会主催の煙火花火大会が全国に広まるに反比例して、おもちゃ花火の多様性が次第になくなってきました。IT化が進んで気軽に商品写真が残せるようになったのは西暦2000年頃でしたので、それ以前にもあったおもしろい花火の写真は残念ながらここにはありませんが、わずか20年前には手にはいった印象に深い花火を紹介します。思い出話として話題にしていただければ幸いです。

なつかし花火
①はロケット花火です。現在でもありますが、威力や形にいろいろ変化がありました。②は回転花火です。1列目の上段は「葡萄花」です。竹竿の先に糸で繋がった花火が回転し最後に葡萄の房になるというものです。下段はいわゆる「ねずみ花火」、つい数年前まで販売していましたが現在は販売終了です。2列目の花火は「友誼塔」といいます。地面においた6角形の花火が火を噴きながら回転し、最後に内蔵のバネの力で五重の塔がせり上がってくるものです。三列目の上段は「大地花開」という花火です。地面に置いた短い円筒形の側面にある導火線に点火すると、強力な噴射力で唸りながら同時に赤やオレンジの炎を出して回転します。ちょうど地面に花が咲いたようにみえる華やかな花火です。下段の丸型や三角型の花火は竿の先に糸でつるし回転させると、火の輪や花が咲いたように見える花火です。③は音のする花火です。右側は爆竹です。現在もありますが、威力に差があります。右の花火は「かんしゃく玉」とか「クラッカーボール」と呼ばれていた花火です。これはかなりトリッキーな花火です。地面にたたきつけただけで破裂して音がします。道路に撒いて、そこを通過した自動車が踏みつけて音を出し、運転手を始め周囲が驚くのを喜んだりします。これは最悪事故につながります。花火の感度が高いということや遊び方が危険だということで、現在は当然製造、販売禁止になっています。④は煙幕です。左の「手榴弾型花火」はマッチ棒の頭と同じように、リンの付いた先端をマッチ箱の側面で擦ると煙が出ます。右の「煙玉」は忍者の煙をイメージしています。いろいろな染料をつかって色付煙を発生させます。⑤は中国製の噴き上げ花火の一覧です。色違いとか噴き出す形やタイミングの違いで変化に飛んだ花火がいろいろありました。しかも比較的低価格なので、台の上にいろいろ並べて、⑥の連発花火に装てんしている長い導火線を取り出して、この噴き上げ花火のつないで大がかりな集合花火になるよう加工していました。もちろんこれも使用違反ですが、花火の特性を知っている人が注意しながら楽しんでいました。現在はこうした低価格の花火はなくなりました。⑥は連発花火です。小さいのは3連発から大きいのは35連発まで変化に富んでいました。こちらは打ち上げ花火でも構造上筒の上部にある導火線から火をつけて順次下に火が伝わり火の玉が打ち上がるのです。当然筒の長い花火は導火線もながいので、⑤の噴き上げ花火の集合加工に利用できました。またこれも利用違反ですが、これらの連発花火を複数個ガムテープや針金で束にして、大形の連発花火に加工するという遊び方もありました。考えてみればこうしたちょっと危ない遊び方もできた時代でしたが、現在はこうした遊び方は様々な事情からできませんが、それでも現在市販の花火でも十分楽しめる余地は残っていますので、各種花火の特徴をご理解いただき、安全には十分注意して遊んでいただきたいと思います。